【サジェスト汚染はなぜ起きる?】なんjとの関係と解決方法をご紹介

インターネットを利用する機会が増えた現代、重要課題として指摘されているのがサジェスト汚染です。企業であれ個人であれ、サジェスト汚染を放置しておくと後々大きなトラブルに発展することがあります。
そして、このサジェスト汚染に深く関係していると思われるのが『なんj』です。一体『なんj』とは何なのか?また、万が一サジェスト汚染になったらどういう方法で対処すべきなのか?
この記事ではこれらの点についてご紹介していきます。なお、Googleの関連キーワード削除に関して詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
なんjやサジェストって何?

サジェスト汚染の原因や対処方法を知るには、その言葉の意味を正しく理解する必要があります。
以下で説明するので、まずはそこからチェックしてください。
なんjとは?

『なんj』とはネット掲示板である『2ちゃんねる』の『なんでも実況J板』のことです。2004年に設立され、姉妹板に『なんU(なんでも実況ウラヌス)』があります。
設立当初は『マスメディアに縛られない実況』を目指して、主に野球の実況を行っていました。しかし2012年頃になると『なんj』のスレッドを転載したまとめブログが乱立。
その効果により『なんj』利用者が増え、徐々に野球以外のことにも話題が及ぶようになりました。
現在の『なんj』は様々なネタを扱う対立煽りコンテンツ

主に野球の実況を行っていた『なんj』ですが、現在では政治や時事ネタ、特定の企業・人物など、様々なネタを扱っています。そして、『なんj』をよく利用する人のことを俗に『なんj民』と呼びます。
それだけなら他の2ちゃんねる板と変わりないのですが、『なんj』の特徴はその内容がネガティブであるということ。『なんj民』は集合と離散を繰り返しつつ祭りと呼ばれる炎上の扇動を行うため、対立煽りコンテンツとも呼ばれています。
実際、『なんj』で炎上の扇動が行われた結果、特定の団体や個人に関するネガティブキーワードがGoogleなどのサジェスト検索で上位表示されることも。それによって団体・個人が何らかの被害に遭うこともあり、『なんj』はトラブルの元凶としてしばしば名指しされています。
サジェストとは?

サジェストを直訳すと『提案する』『示唆する』という意味になります。
とくにインターネット業界では、検索エンジンの検索窓にメインとなるキーワードを入力したときに自動表示される『サブキーワードの組合せ候補』のことをいい、一般的にそのキーワード組合せでよく検索されていることを表します。
非常に便利な機能であり、知りたいことの大半はサジェストの中にありますから多くの人が利用しています。それゆえ、サジェストに出てくるかどうかでサイトのアクセス数が大きく違ってきます。
近年、サジェスト汚染が問題視されている
特定のメインキーワードを検索エンジンの検索窓に入力すると、ネガティブな表現のサブキーワードばかり表示されることがあります。
これをサジェスト汚染といいますが、GoogleやMicrosoftのアルゴリズムを逆手にとっては意図的にサジェスト汚染を仕掛ける者がおり、インターネット業界では大きな問題になっています。
そして、前述の『なんj民』による炎上の扇動がサジェスト汚染の原因になることがしばしばあります。
なぜサジェスト汚染に『なんj』が影響するのか

サジェストされるサブキーワードは検索頻度や検索数によって決まります。それゆえ、時間の経過とともにサジェストされるサブキーワードも変化します。
逆にいうと、短時間・短期間で集中的に検索された又はメインキーワードと一緒に入力されたサブキーワードはサジェストで表示されるということ。
実はこの仕組みと『なんj』の相性が良すぎることがサジェスト汚染につながっているのです。
『なんj』で取り上げられると高確率でサジェスト表示される

『なんj』では利用者が特定のキーワードを繰り返し使用します。基本的には掲示板ですから、利用者が多いとそれだけキーワードの登場頻度も高くなります。
これが前述したサジェスト汚染の原因とぴったり一致しており、GoogleやMicrosoftのアルゴリズムが『重要な情報』と誤認識してしまうのです。当初の『なんj』は「たまたまサジェスト汚染の原因になっただけ」でしたが、昨今では『なんj』の仕組みを利用して意図的にサジェスト汚染を仕掛ける者もいます。
いわば陰湿ないじめであり、『なんj』でターゲットにされると高確率でサジェスト汚染の被害に遭ってしまうのが現状です。
サジェスト汚染の問題点

サジェスト汚染は直接的な暴力や詐欺ではないため、気付かない人や放置している人もいることでしょう。
しかしながら、インターネットの世界ではあっという間に情報が拡散されるため、サジェスト汚染によるデマがいつの間にか真実として世間に認知されてしまう危険性があります。
とくに次のような場合にはサジェスト汚染の影響が出やすいので要注意です。
<個人の場合>
- 就活や婚活が不利になることがある
- SNSで誹謗中傷されることがある
<企業の場合>
- 売上が下がる
- 人材募集に人が集まらなくなる
就活や婚活に影響が出ることがある

就活や婚活において、相手方が人物名で検索をかけることがあります。有名人でもない限り、個人名で検索したときにサブキーワードがサジェストすることはありません。
ところが、何らかの原因でサジェスト汚染が起こっていると、個人名を入力しただけでネガティブなキーワードばかりがサジェストされてしまいます。
それが事実かどうかは分からないものの、就活や婚活の相手方が不安を感じるのは当然のこと。その結果、入社や結婚をお断りされることがあるのです。
誹謗中傷を受けることがある

誹謗中傷の標的になるのもサジェスト汚染による典型的な症状です。汚染されたサジェストをみた第三者が、その内容を鵜吞みにしてしまうことが原因。
FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSはもちろんですが、勤務先のホームページなどにまで誹謗中傷が書き込まれることがあります。
昨今起きているネット上での誹謗中傷の何割かはこうしたサジェスト汚染が原因であり、当の本人は身に覚えのないことであるが故に大きな問題となっています。
売上が下がる

企業の場合はサジェスト汚染が売上に直結します。たとえば飲食店の場合、利用者が事前に口コミなどを調べることは多々あります。
その際、サジェスト汚染が起きていると、何も知らない利用者は来店をためらうはず。その結果、飲食店の売上は下がってしまいます。
同様のことは飲食店以外の様々な業界で起きており、企業にとってサジェスト汚染対策は必須になってきました。
人材募集に人が集まらなくなる

売上と同様に下がって困るのが人材募集に対する応募者数です。
いつの時代も、企業にとって人材の確保は大命題。どの企業もそれなりの資金を投じて採用活動を行っていますが、「ブラック企業だ」「倒産寸前」などという情報が出回ってしまうと応募者が集まらないのです。
同業他社と比べて明らかに応募者数が少ない場合はサジェスト汚染の可能性も。自社名で検索をかけ、どのようなキーワードがサジェストされるかを確認した方が良いでしょう。
サジェスト汚染から回復する方法

ご紹介してきた通り、サジェスト汚染に陥ると非常に厄介。早急に対処する必要があります。
その対処方法として有効なのは次の4つです。
- Googleにサジェスト削除申請をする
- 原因となったコンテンツ作成者に連絡する
- サジェスト汚染対応業者に依頼する
- 弁護士に相談する
1. Googleにサジェスト削除申請をする

Googleにはオートコンプリートポリシーというルールがあります。オートコンプリートポリシーとはGoogleが定めた『不適切な検索候補』に関する規定。該当するのは次のようなサジェスト候補です。
- 暴力的または残虐的な表現
- 露骨な性的表現または冒涜的な表現
- 特定の集団に対する差別的な表現
- 著名人に対する不適切かつ抽象的な表現
- その他、Googleが危険と判断した表現
上記に違反しているサジェストをGoogleが発見した場合は削除しています。また、ユーザー側が削除申請フォームも使って削除依頼することも可能。
この仕組みを利用すれば、サジェスト汚染が解消されることがあります。
ネック
Googleにサジェスト削除申請をした場合、削除されるのはサジェストワードだけです。よって、サジェスト汚染をもとに作成されたウェブサイトなどはそのまま存在し続けます。
サジェストが削除されるのでそのサイトへのアクセスは激減するはずですが、不名誉な内容がネット上から消えるわけではないのです。
2.原因となったコンテンツ作成者に連絡する

サジェスト汚染が起きるのは、大元となる情報源(『なんj』など)がどこかにあるから。たいていの場合はネット上に存在しているので、それを探し出せばコンテンツ作成者に削除を求めることができます。
紳士的な言葉遣いでありながらも要求をしっかりと伝えるのがコツ。その際、具体的にどのような被害がでているかと要求に従わない場合は法的措置を検討することを書き添えてください。
コンテンツ作成者にとって該当するコンテンツから得られる収益はさほど大きくないはず。損得勘定の働く人であれば素直に削除してくれることでしょう。
ネック
この方法のネックはコンテンツ作成者への連絡手段がない場合があることと、相手が要求に従わない場合があること。
過去に作成されたコンテンツですでに作成者が放置しているときは、いくら連絡を入れても反応がありません。また、仮に連絡がついたとしても所詮は要求でしかないので、強制的に削除させることはできません。
3.サジェスト汚染対応業者に依頼する

サジェスト汚染が社会問題となったことで、それに対応する専門業者も出てきました。こうした業者が取る方法は主に二つ。
一つは、ネガティブなキーワードとは別のキーワードの検索ニーズを高め、最終的にサジェスト候補からネガティブなキーワードを無くすというパターン。
もう一つは前述した『検索エンジン側に削除申請を行う方法』を代行するパターンです。
ネック
この方法のネックは費用がかかること。業者の手数料として依頼が完了するまで毎月5~10万円程度の費用(別途実費)が発生します。
サジェスト汚染の程度とコンテンツ作成者によりますが、依頼完了までの期間は概ね数ヶ月。つまり数十万円の費用が発生するわけで、個人が依頼するには高額といえます。
4.弁護士に相談する

法曹界にはインターネットトラブルに詳しい弁護士も大勢います。日本人は相手側に弁護士がつくと急に怖気づく傾向がありるので効果は抜群。
無論、相談料と成功報酬が発生しますが、今回ご紹介する対処方法の中ではもっとも強力です。
ネック
弁護士に相談する際のネックといえば何といってもその費用です。弁護士によって異なりますが、一般的には着手金と成功報酬、さらに実費が発生。話がこじれて訴訟になるとさらに費用がかかります。
これに対して、相手側からとれる損害賠償は大した額ではなく、差引するとマイナスになることがほとんど。場合によっては「業者に依頼した方が安かった」ということもあります。
サジェスト汚染に対処してくれる弁護士

「少々費用がかかっても信頼できる人にサジェスト汚染対応をお願いしたい」という人もいることでしょう。
そこで、サジェスト汚染解消におすすめの弁護士事務所をご紹介します。
アトム法律事務所

アトム法律事務所はインターネット関連の案件に強い法律事務所です。
実績は充分であり、事務所も各地にあります。
<アトム法律事務所の概要>
電話番号 | 0120-380-911(24時間受付) |
---|---|
東京本社 | 〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階 |
北千住事務所 | 〒120-0034 東京都足立区千住2-18 為静ビル6F |
新宿支部 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-13-8 朝日新宿ビル8階 |
埼玉大宮支部 | 〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門町1-63 栗橋ビル7階 |
市川事務所 | 〒272-0033 千葉県市川市市川南1-5-19 スミダビル2階 |
千葉支部 | 〒260-0028 千葉県千葉市中央区新町1-20 江澤ビル6階 |
横浜支部 | 〒220-0004 神奈川県横浜市西区北幸1-11-5 相鉄KSビル8階 |
大阪支部 | 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田3-3-45 マルイト西梅田ビル2階 |
名古屋支部 | 〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4-13-7 西柳パークビル3階 |
仙台事務所 | 〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町1-6-23 インテリックス仙台ビル602 |
神戸事務所 | 〒651-0085 兵庫県神戸市中央区八幡通3-2-5 I.N東洋ビル501 |
福岡支部 | 〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名2-8-22 天神偕成ビル2階 |
弁護士法人ATB(誹謗中傷ドットネット)

弁護士法人ATBが運営している誹謗中傷ドットネットもインターネット関連の案件に強く実績は十分です。
事務所の数は2ヶ所のみですが、関東を中心に幅広く対応してくれます。
<弁護士法人ATBの概要>
電話番号 | 03-6803-4320(9:00~18:00) |
---|---|
東京事務所 | 〒105-0013 東京都港区浜松町2-7-16 第3小森谷ビル別館6F |
山梨事務所 | 〒400-0053 山梨県甲府市大里町680-3 |
『なんj』などを原因とするサジェスト汚染は早目に対処

この記事では『なんj』などを原因とするサジェスト汚染についてご紹介しました。
個人・法人を問わずサジェスト汚染は非常に大きなトラブル。たとえ被害を実感していなくても、気が付いたら早目に対処する必要があります。
その方法としてはGoogleやコンテンツ作成者に対する削除依頼がありますが、自分でやるのがおっくうな人は弁護士や業者に任せると良いでしょう。