転職会議の口コミ削除方法|投稿を編集・削除するには?弁護士は必要!
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「転職会議」は口コミ登録企業数215,525社(2022/10/17現在)の口コミが投稿されている転職希望者に人気のサイトです。
しかし、サイト内に自社の悪い口コミが投稿されると企業イメージがダウンするほか、採用にも影響を及ぼすうえ、口コミ削除が難しい問題もあります。
この記事では、「転職会議」の口コミ削除方法や削除がうまくいかないときの対処法を解説します。
それでは、見ていきましょう。
転職会議とは
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「転職会議」は、株式会社リブセンスが運営している転職希望者に対して情報提供を行う口コミサイトです。
2022年10月現在、口コミ登録企業数215,000社以上・求人者数299,000件以上を掲載する転職口コミサイトとしては日本最大級の規模を誇ります。
口コミ登録の原則
口コミの投稿は原則、「過去にその会社で働いていた元社員」だけと定められています。
<掲載内容>
- 会社の評価
- 年収
- 残業時間
- 有休消化率など
企業の説明だけではなかなか分からない情報が閲覧できるため、利用者も多く、会員数は700万人以上にのぼります。
⚠️「転職会議」に悪評を投稿されると多くの転職者が目にする可能性が高く、会社の信用にも関わる大きな問題になりかねません。
転職会議の口コミはアカウント登録だけでは見られない
「転職会議」の大きな特徴は、アカウント登録するだけでは、すべての口コミを見られるようにならない点です。
アカウント登録だけでは、表示される口コミの冒頭部分のみ閲覧可能で、全文を見るためには自らも口コミを投稿するか、口コミが見放題になる有料パスを購入する必要があります。
「転職会議」に悪い口コミが投稿されたとしても、すべてのユーザーに見られるわけではありません。
しかし、逆に「転職会議」に登録して閲覧可能条件を満たすユーザーは転職に対する意識が高く、企業選びにも真剣に取り組んでいるといえるため、悪い口コミが深刻な影響を及ぼす可能性があります。
注意しなければならない情報のキャプチャ
閲覧には定められたルールがある「転職会議」ですが、画像キャプチャなどを利用すればSNSなどで拡散することも可能で、悪い口コミがネット全体に広まってしまうことも十分考えられます。
一部のユーザーしか見られない口コミだからといって安心できないのがインターネットの世界です。
「転職会議」から自社に対する悪いイメージが定着することも考えられます。
転職会議の口コミは削除できるか
「転職会議」では、基本的に口コミの削除を受け付けていません。
「転職会議」の運営方針は、転職者への情報提供が最優先です。従ってネガティブな口コミも掲載することを方針としています。
会社を批判する口コミであっても、転職希望者にとっては有益な情報になると考えているのです。
一般のユーザーにはどの口コミが本物か虚偽か判断が難しく、どの口コミも「元社員の言うことだからきっと本当だろう」と思われる可能性も高く、誤った口コミの情報がまるで真実のように扱われ、会社に悪影響を及ぼす危険性もあります。
採用活動への悪影響
今や転職活動にネットを利用するのは常識です。
なかでも、実際に働いていた人の声が聞ける口コミサイトは人気が高く、転職希望者の大きな注目の的となっています。
転職活動者の約7割が口コミサイトを利用しているというデータもあり、口コミの内容は転職者の意思決定に大きく関わります。
「転職会議」は「○○社 評判」で検索したときに上位表示されることが多く、ここに「給料が低い」「ブラック」「上司がパワハラ」といった悪い口コミが書かれていると、本気にした転職希望者のなかには、その会社への応募を辞めてしまう可能性があります。
悪評により結果として優秀な人材が集まらなくなり、会社の採用活動や経営にも悪影響を及ぼすことが考えられます。
風評被害によるイメージダウン
「転職会議」の悪い口コミを見ているのは、転職希望者だけとは限りません。ステークホルダーの目に触れる恐れもあります。
そこで「未払い給与がある」「ブラック企業」など書かれていると、「この会社は従業員を不当に働かせているのではないか?」「なにか良くないことをしているのでは?」などと思われて会社の信頼低下につながります。
結果、その会社や商品のイメージが損なわれたり、取引をやめてしまったりと会社の業績、経営にも悪影響が生じる可能性もあります。
転職会議で禁止されている行為
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「転職会議」では基本的には口コミの削除を認めていません。
ただし、だからと言ってどんな内容を書いても許されるわけではありません。
「転職会議」では「口コミ投稿ガイドライン」や「転職会議の利用規約」で、口コミ投稿の禁止ルールを定めています。
これに違反した口コミであれば、例外として削除してもらえる可能性があります。
利用規約での禁止行為
また利用規約では、
- 虚偽の情報を公開する行為
- 他者を誹謗中傷する行為
- 著作権侵害
- プライバシー侵害
- 公序良俗に反する行為
- スパム行為
などが禁止行為になっています。
もしも、投稿されている口コミがこれらに当てはまる場合は「転職会議」に申請することで口コミが削除される可能性があると理解されています。
利用規約の内容をもとに、より具体的に説明しているのがガイドラインです。
口コミ投稿ガイドラインの禁止行為
ガイドラインでは以下のような投稿は避けるべきと定めています。
場合によっては削除対象になります。
- 他者を誹謗中傷する投稿:「ブラック企業」「詐欺会社」「ハラスメント」など個人に対する悪口や「地獄」「使い捨て」「会社の駒」など定義が曖昧で感情的な表現。「あんな会社潰れちまえ!」など乱暴な言葉で悪意ある表現
- 個人が特定できたり、家族構成など個人の私生活に関する投稿:「○○課の課長」や「○○さんには娘が2人いる」など
- 噂や憶測に基づく投稿:「噂で聞いたのですが~」「私は辞めてしまったので今はどうかわかりませんが~」など本人が体験していない不確かな情報
- 誇張した表現や断定的な批判:「休日は1日もない」「詐欺会社」「社員が無能しかいない」「社長が仕事をしない」など全くない、皆無だと誤解させたり、具体例もなく断定するような表現
- 文句、嫌味な表現:「この会社に良いところがあるなら教えてほしいくらいです」などビジネスマナーに反する表現
- 信憑性が低いと判断される投稿
- 顔文字、伏字、記号、アスキーアートなどを含む投稿
転職会議の書き込みを削除する方法
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次に、実際に「転職会議」の口コミを削除する方法を説明していきます。
自分で投稿した口コミの場合
自分で過去に投稿した口コミの削除方法についてです。
「転職会議」では例え自分で書き込んだものであっても、一度投稿した口コミは自分では削除できません。
ただし、「転職会議」に対して編集を依頼することで口コミの訂正・削除は可能です。
「再編集を希望する投稿の投稿ID(投稿の下にあり「ans-」で始まる)」「再編集した投稿内容(150文字以上)」「満足度」を記載し、問い合わせフォームより再編集内容をメールで送信してください。本人確認のため、会員登録したときのメールアドレスを使用する必要があります。
ただし、「転職会議」では退会済みのユーザーからの再編集依頼は受け付けません。
他人が投稿した口コミの場合
「転職会議」に投稿された自社に関する悪い口コミへの削除申請の方法について解説します。
削除申請は、問い合わせフォームから運営元の株式会社リブセンスに対して行います。
法律上、投稿の削除を依頼できるのは、権利を侵害された当事者か代理人弁護士に限られているため、口コミを投稿された企業か、企業に依頼を受けた弁護士が申請しなければなりません。
《注意》
問い合わせの際は、企業のメールアドレスを使用するようにしてください。
フリーメールアドレス等を用いて削除申請を行うと、違法性のある申請だと誤解される恐れがあります。
「転職会議」では、違法性のある削除申請にはしかるべき対応をとると表明しています。
最悪の場合、「転職会議」サイト内に「違法性のある削除依頼をした」とした内容が掲載され逆効果になってしまう可能性があります。
削除申請を行うには
- 「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」(「転職会議」の定型フォーマット。問い合わせフォームから連絡することで取得可能)
- 「3ヶ月以内発行の印鑑登録証明書」(代理人弁護士の場合、印鑑登録証明書は不要。押印は社判・弁護士職印のいずれでも可)
の2点の書類が必要になります。
申請する場合は、あらかじめ運営に連絡して通知書のフォーマットを準備しましょう。
また、申請してもすべての口コミが削除されるわけではありません。
削除対象になるのは「転職会議」の運営が権利侵害に当たると判断したものだけです。
申請の注意点
申請の際には、口コミの内容のどの部分が…
- 虚偽や誹謗中傷にあたる
- ガイドラインや利用規約に違反している
- 権利侵害に該当する
などを指摘する必要があります。
「転職会議」の運営にきちんと説明し理解してもらわなければなりません。
転職会議の書き込みが削除されない場合はどうすればいい?
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削除申請は可能ですが、一般的に「転職会議」の口コミを削除するのは容易ではないと考えられています。
「転職会議」の運営に削除申請したものの思ったような対応をしてもらえないという声も聞くことがあります。
「転職会議」の口コミ削除はハードルが高く ・削除が認められないケース ・削除されたとしても投稿の一部のみが対象 ・伏字になったりするだけ の場合もあります。
口コミが削除されない場合にどのような対応をとればいいかを解説します。
弁護士への相談も検討する
「転職会議」の運営が口コミ削除に応じてくれない際には、弁護士など法律の専門家に相談することをおすすめします。
《POINT》 「転職会議」では、全部削除と部分削除の判断基準は明らかにされていません。 運営の対応に納得がいかないこともある可能性も大いにあります。 そうした際は、弁護士に相談することで法的措置により、口コミの削除が実現できる可能性があります。
削除仮処分で口コミを削除する
裁判所に*削除仮処分を申請することで、運営による削除が認められなかった口コミも削除できる場合があります。<*仮処分とは、民事保全法に基づいて裁判所から出される暫定的措置です>
削除仮処分の効果は、通常の裁判なら半年から1年ほどかかるのに対して、1~2か月と短期間で結果が出るのが特徴です。
正式な判決と同様の効果をもっています。裁判所から削除を命じられた場合には、運営の株式会社リブセンスも従う可能性が高いと考えられます。(拒否するには「相当な事由」となる)
削除仮処分の申請自体は企業が独自で申請することもできますが、手続きが複雑で相当の法律知識も必要とされるため、弁護士に依頼するのが一般的です。
弁護士に依頼する利点
弁護士であれば仮処分が認められた場合に、削除範囲等についてリブセンスと交渉してもらうことができ、企業の要望に沿った形で口コミの削除・編集が実現するメリットもあります。
削除仮処分にかかる費用は20~30万程度が相場です。 それ以外にも ・弁護士の日当や実費での手続き費用 ・法務局に対して担保金(仮処分決定後還付を受けられる)10万~30万円を供託 の費用が必要となります。
弁護士事務所によって価格が異なるので、最初は無料相談からはじめてみるといいでしょう。
重大な被害には投稿者の特定・法的責任の追及も
口コミにより会社のイメージダウンや採用活動への悪影響など甚だしい被害を受けてしまった際は、投稿者の特定や損害賠償の訴訟などを検討するのも1つの考え方です。
発信者情報開示請求による投稿者の特定
プロバイダ責任制限法第4条に基づく発信者情報開示請求の制度により相手の氏名・住所などの個人情報を開示してもらうことで口コミ投稿者の特定ができます。
開示請求は、「転職会議」の運営元であるリブセンスと投稿者が利用しているプロバイダに対してそれぞれに行う必要があります。
《開示請求の手順》
- 開示請求によりリブセンスから投稿者のIPアドレス・タイムスタンプを開示してもらう
- 相手の利用しているプロバイダを特定する
- プロバイダに2度目の請求を行い個人情報を開示してもらう
ただし、リブセンスもプロバイダーのどちらも素直に開示を認めるケースは少なく、たいていの場合は法的手続きが必要になります。
《開示請求の法的手続き》
- リブセンスへの請求では開示仮処分
- プロバイダへの請求では開示請求訴訟➡️裁判所に訴えが認められれば開示を受ける
開示請求にかかる弁護士費用は、開示仮処分、開示請求訴訟ともに着手金20~30万円・成功報酬10~20万円程度が相場になっています。
こちらも弁護士事務所によって着手金0円や成功報酬をとらないなど様々です。
どの弁護士事務所に依頼するかは、諸条件を事前に調べることをおすすめします。
法的責任追求
口コミ投稿者を特定できれば、相手に刑事・民事での法的責任を追及することが可能になります。
刑事での法的責任追及
刑事責任は刑法上の犯罪にあたる不法行為に対する責任です。
「転職会議」への口コミ投稿者に対する場合は、名誉毀損罪や侮辱罪、信用毀損罪などに該当する可能性があります。
《刑法上の犯罪》
- 名誉毀損罪:「ブラック企業」「詐欺会社」「ハラスメント」など具体的な根拠のない誹謗中傷に適用される罪
罰則として3年以下の懲役または禁錮もしくは50万円以下の罰金に処せられます - 侮辱罪:「バカ・あほ」「ブス」など具体性のない単なる悪口に適用される罪
罰則として拘留(30日未満の収監)または科料(1万円未満の罰金刑)に処せられます - 信用毀損罪:嘘の情報により会社のイメージダウンなど信用を損ねた場合に適用される罪
業務に支障を来たした場合には業務妨害罪が適用
罰則として3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
投稿者の刑事責任を問う場合は、警察に被害届や告訴状を提出します。
警察は訴えを受けて捜査を始め、犯罪にあたる行為と認められれば、投稿者の逮捕や刑事裁判での起訴が行われ有罪になれば懲役や罰金等の刑罰を受けることになります。
民事での責任追及
民事では名誉毀損など不法行為に対する損害賠償・慰謝料の請求が可能です。
それぞれの慰謝料の相場は以下の通りです
- 名誉毀損……50万~100万
(被害者が企業や個人事業主の場合には金額が高くなる傾向にあり、個人なら10万~50万円が相場です) - 侮辱罪……1~10万円
- 信用毀損罪、業務妨害罪……1~50万円
刑事と民事の責任は別々に追求することができます。
つまり、刑事告訴しながら民事で損害賠償を請求することもできるのです。
民事訴訟にかかる弁護士費用の相場は着手金10~20万円、成功報酬が慰謝料の10~20%です。
まとめ
「転職会議」の謂れのない悪い口コミは放っておくと企業のイメージダウンや採用活動に悪影響が出る可能性があるため早急に対応する必要があります。
しかし、「転職会議」の口コミ削除は難しく、申請しても認められないことも多くあると聞きます。
そういった場合には、弁護士など法律の専門家に依頼することで、削除仮処分による口コミの削除や投稿者の特定、法的責任の追及といった措置が可能になります。
結論としては、「転職会議」の口コミにお悩みの方は、弁護士に相談することをおすすめします。