ブランディング・マーケティング・PRの違いは?各目的から施策例まで解説

ブランディング マーケティング PR 違い

あなたはブランディング・マーケティング・PRの違いを説明できますか?

この記事では各施策の目的から施策例まで徹底的に解説します。

結論、それぞれの単語は以下の目的があります。

  • ブランディング:企業イメージを良くする
  • マーケティング:自動で売れる仕組みを作る
  • PR:商品やサービスを告知する

その他にも、具体的な施策例やどのように組み合わるかをご紹介しています。

最後までご覧いただき、効果的な施策を打てるようになりましょう。

ブランディング・マーケティング・ PR の用語解説

ブランディング・マーケティング・PRはどれも利用者に対して購入を催促する手段のため、混同されがちです。

しかし、それぞれ意味が異なります。

そのため、全ての施策を完璧に行える方は非常に希少です。

それぞれを混同して適切な施策をできないと効果は期待できません。

まずは3語の意味を確認しましょう。

ここからは、ブランディング、マーケティング、PRの用語を例を添えてご紹介します。

ブランディングとは

ブランディングとは、市場の利用者が抱く企業イメージを良くする施策です。

企業イメージが良くなると、企業価値が上がり継続的な利益に繋がります。

企業イメージは数値化が難しいです。

しかし、企業価値を上げることで継続してくれる利用者を増やすことは、長期的な売上に繋がります。

例えば、スターバックスのコーヒーは他のカフェチェーンより高いです。

しかし、多くの利用者に企業価値が浸透しているため、連日満席の店舗がたくさんあります。

このように、この企業の商品・サービスにお金を払いたいと思わせるのがブランディングです。

マーケティングとは

マーケティングとは、市場の利用者についての理解を深め、需要にあった製品やサービスが自動で売れるようにする仕組み作りです。

商品やサービスが自動で売れる仕組みを作るためには事前に認知してもらう必要があります。

そのため、誰にどのような情報を発信して売れる市場を整えていくかを考えるのが重要です。

市場分析や顧客分析によって、参入していなかった市場に割り込むことができれば、その市場をから多くの利用者を獲得できます。

身近な例では、バレンタインデーが挙げられます。

1980年代に製菓会社が打ち出したキャンペーンで女性から男性にチョコレートを贈る風習ができました。

この風習のおかげで、現代でもバレンタインデーにはチョコの購入率が上がります。

このように、製品やサービスが自動で売れる仕組み作りがマーケティングです。

PRとは

PR(Public Relations)とは、自社の製品やサービスを購入・体験してもらえるよう利用者に呼びかける施策です。

PRには社外向けと社内向けがあります。

社外向けPRとは、報道機関へのプレスリリースやメディアに取り上げてもらう活動です。

新商品発表記者会見などが社外PRになります。

社内PRとは、社員向けイベントなどを企画し、社員の商品理解・企業理解を深める活動です。

このように、製品やサービスを直接発信するのがPRとなります。

また、PRにはRelation(関係)という単語が入っているように、関係づくりが重要です。

売る側の企業と買う側の利用者、双方が利益を得られる関係づくりを重視します。

ブランディング・マーケティング・PRの役割

ブランディング、マーケティング、PRの意味を確認したところで、ここからはそれぞれの役割をご紹介します。

それぞれ意味や施策は異なりますが、独立しているわけではありません。

ここからはブランディング、マーケティング、PRのそれぞれの役割をご紹介します。

ブランディングの役割

ブランディングは、ブランドのイメージをビジネスに貢献させる役割があります。

そのため、ブランディングはマーケティングやPRより上流の工程です。

ブランディングで与えたイメージによってその後の施策が大きく変わります。

ブランディングを成功させるためには業界分析、自社分析が必要です。

自社の製品やサービスが利用者に対してどのようなメリットを与えるかを明確にしましょう。

ブランディングでは、見た目を整えるだけでなく「共感からの認知」が大切です。

ブランディングする際はブランドアイデンティティを設定すると上手くいきやすくなります。

ブランドアイデンティティの重要性や設定方法は過去の記事で紹介しています。

マーケティングの役割

マーケティングは競合他社との差別化をしつつ、時代の需要をよく見て市場に何が求められているかに答える役割があります。

以前のマーケティングは、製品やサービスの良さを幅広い層に向けて発信するのが一般的でした。

しかし、最近では市場が成熟してモノがあふれた、広告媒体が増えた、モノの購入時にレビューや口コミを簡単に確認できるようになったなどから、経験を重視したマーケティングが増えています。

経験を重視するマーケティングを経験価値マーケティングと言い、実際に体験する場を設けることやポップアップストアなどが該当します。

最近ではコロナの影響でポップアップストアが出来なかったので、オンラインイベントが増えました。

また、自宅で作れる○○キッドなどが爆発的に売れました。

コロナによる在宅時間の増加、体験の提供という時代の需要をついたマーケティングによるものです。

このようにマーケティングでは、時代の需要を調査し、利用者が何を求めているのかに答えていくのが大切です。

PRの役割

PRは市場の利用者にメリットを伝える役割があります。

以前は広告を出すだけでよかったのですが、現代ではインターネットの発達により施策が一変しました。

企業が出す広告より、SNSに投稿される口コミの影響力が強く、口コミを判断基準にする方も少なくありません。

そのため、最近のPRはメリットを伝える役割より認知を広げる役割が大きくなっています。

商品やサービスが溢れていますので、認知を広げるのが大切です。

このように、PRは特に時代の変化による影響を受けています。

しかし、重要度は依然として高く、認知を広げるために大切です。

ブランディング・マーケティング・PRの関係

ブランディング、マーケティング、PRの役割を確認したところで、ここからはそれぞれの関係性をご紹介します。

それぞれを連動させることは、各施策を成功させるための重要な要因です。

今回は2点ご紹介します。

  • ブランディングで与えるイメージを基に施策を
  • マーケティングとPRは密接に連携させる

順番にご紹介します。

ブランディングで与えるイメージを基に施策を

ブランディングで与えるイメージを基にマーケティングやPRを行いましょう。

ブランディングが定まっていない状態でマーケティングやPRを行うと、方向性が定まらず、結果誰にも刺さらない施策になってしまいます。

反対にブランディングの軸が定まっている場合、既に企業イメージという土台がある状態です。

そのため、固定の顧客ができやすく、マーケティング施策を行った場合勝手に拡散してくれることがあります。

例えば、スターバックスの季節限定フラペチーノがでると、多くの方が「これ飲みたい」「おいしそう」と発信されるでしょう。

このように、ブランディングで土台を作ることで、マーケティングやPRの効果は何倍にも高まります。

マーケティングとPRは密接に連携させる

マーケティングとPRは連携して、市場にインパクトを与えると上手くいくことが多いです。

例えば、SNSで商品を告知するPRを検討したとします。

ここで、マーケティングと組み合わせリツイートキャンペーンを開催すると、自動的に拡散されるでしょう。

このように、双方を組み合わせることで、利用者に面白いと感じてもらい、認知をを広げるのが大切です。

また、SNSのPRはインフルエンサーに紹介してもらうケースもあります。

しかし、SNSのPRの場合、フォロワー数が多くても影響力が無い方の見極めが大切です。

そのため、お金を払ってインフルエンサーに依頼するよりも、マーケティングとPRを掛け合わせて利用者の口コミを広げる方がうまく行く場合があります。

ブランディング・マーケティング・PRの具体例

ブランディング、マーケティング、PRの連動が重要であることを確認したところで、ここからは実際の例のご紹介します。

ここではAppleを例に解説します。

Appleはブランディングに力を入れて成功している企業です。

ブランディングを特に深堀してご紹介します。

Appleのブランディング

Appleは世界でもトップレベルでブランディングが成功している企業の1つです。

ブランディングを成功させた要因は大きく分けて2つあります。

  • 商品の独自性
  • Appleストアの独自性

順番にご紹介します。

商品の独自性

Appleは商品に独自性を持たせています。

スマートな見た目、少ない装飾やボタン、背面のリンゴマークなど思いつく方も多いでしょう。

商品の独自性は2つの要素から構成されています。

  • デザイン性
  • 操作性

順番にご紹介します。

デザイン性

Appleの商品デザインはとてもシンプルでスタイリッシュなデザインです。

このスタイリッシュさで多くの利用者の心を奪っています。

これらのシンプルさ、スタイリッシュさは独自性を生みだしているだけでなく、新しい商品でもAppleの商品であると強い印象を与えます。

無駄な装飾を徹底的に排除することは、他社との差別化にもつながり、独自性を生み出す大事な要素です。

操作性

デザイン性に目を取られがちですが、Appleの商品は操作性の高さも独自性の要因となっています。

デザインを徹底的にシンプルにしているため、操作に困ることがありません。

初めて触った方でもボタンが1つしかないので、どのボタンを押すかが分かります。

この操作性の高さも、独自性を生み出す重要な要素です。

Appleストアの独自性

Appleのブランディングは商品だけでなく、Appleストアにも特徴があります。

今回ご紹介する特徴は以下の2点です。

  • 一目でAppleストアと分かる見た目
  • 特徴的な内装

順番にご紹介します。

一目でAppleストアと分かる見た目

Appleストアは一目で分かる外観です。

大きなリンゴのロゴ、銀色の建物が多く、多くの方が遠目で見てもAppleストアと認知するでしょう。

Appleストアの外観は特許を取得しています。

ここからもAppleのブランディング戦略の1つであることがうかがえます。

特徴的な内装

Appleストアの多くは天井が高く、開放的な建物です。

Appleストアは自然光を多く取り入れるように設計され、さらに天井を高くすることで高級感を演出しています。

Appleストアの内装からも、”高級”というブランドイメージを与えていることが分かります。

Appleのマーケティング

アップルのマーケティングは「4P理論」と呼ばれる考え方です。

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売戦略)

これら4つのPを踏まえてマーケティングが4P理論です。

商品は前述の通り、独自性のある商品を展開、価格は世界で統一、流通はアップルストアの優先販売、販売戦略はiTunesのコンテンツ販売などが該当します。

AppleのPR

Appleの新商品発表会は毎度話題になるため、見たことある方も多いのではないでしょうか。

新商品発表会で流される動画では、老若男女問わず使える操作性の高さやスタイリッシュさを前面に出しています。

また、新色発表の動画は非常にポップです。

このように、商品のアピールポイントによって動画のコンセプトを変えているのが分かります。

ブランディング・マーケティング・PRを使い分けて効果的な施策を

Appleの施策をご紹介したので、具体的なイメージを掴めたのではないでしょうか。

このように、似た単語ではありますがそれぞれの役割が異なります。

そのため、それぞれの特徴や目的を明確にし施策を検討しましょう。