ブランド広告(ブランディング広告)とは?事例を交えて特徴とメリットを解説!
ブランド広告(ブランディング広告)とは企業ブランドを広く周知し、企業ブランドおよび製品・サービスブランドの印象を高めるための施策です。
ブランド広告はブランドを認知してもらうための広告で、レスポンス広告よりも大衆向けの広告です。
この記事では、ブランド広告(ブランディング広告)の特徴やメリットについて、事例を交えながら解説。
また、ブランド広告と似たレスポンス広告やイメージ広告との違いについても紹介していきます。
ブランド広告によるブランド向上で企業利益の拡大を目指しましょう!
ブランド広告の特徴と広告の種類
ブランド広告は企業ブランドを周知させるための広告です。
ブランドは消費者が企業あるいは製品・サービスに対するイメージを表す概念で、マーケティング活動にはブランドの向上が必要不可欠となります。
ブランド広告の内容や広告の種類について、詳しくみてみましょう。
ブランド広告(ブランディング広告)とは?
ブランド広告(ブランディング広告)とは企業ブランドに関する情報を発信するための広告です。
ブランド広告では商品の注文を促すレスポンス広告と違い、企業ブランドを周知させることが目的となります。
ここでいうブランドとは、将来の顧客となる消費者が企業の商品やサービスに対して抱くイメージ像を指します。
企業ブランドを高めることによって、将来の顧客獲得へ繋がるのです。
ブランド広告とはブランドに関する知識や情報を消費者に伝え、認知や好意的連想を獲得するための広告のことをいう。
引用:コトバンクより
ブランド広告は大企業向け?
ブランド広告は商品やサービス自体を宣伝するわけではなく、企業ブランド自体を広告するものです。
ブランドを宣伝しても直接的な消費者のアクションがあるわけではありませんが、長期的な観点で顧客の獲得を見込めます。
そのため、中小企業よりもたくさんの商品やサービスを取り扱っている大企業の方が効果を期待できるでしょう。
広告の種類
広告にはブランド広告以外にもレスポンス広告、イメージ広告といった種類があります。
レスポンス広告はブランド広告よりも直接的に顧客の反応を伺うための広告です。
イメージ広告はブランド広告と同様にマスメディア向けの広告ですが、商品やサービスをPRするための広告です。
– | ブランド広告 | レスポンス広告 | イメージ広告 |
---|---|---|---|
目的 | 企業ブランドを高める | 消費者からの直接的な反応(レスポンス)を得る | 商品やサービスの認知を高める |
具体例 | 新聞やテレビCMなどのマスメデャア | Web広告、ダイレクトメール | 新聞やテレビCMなどのマスメデャア |
レスポンス広告(ダイレクトレスポンス広告)
レスポンス広告あるいはダイレクトレスポンス広告は企業の商品やサービスを直接消費者にアピールする広告です。
ブランド広告がマスメディア(新聞やテレビCMなど大衆に見られるメディア)向けの広告であるのに対し、レスポンス広告は直接的なレスポンスをターゲットとします。
レスポンス広告ではユーザーが購買へのアクションを起こしやすくなるよう様々なテクニックが用いられます。
例えば、ダイレクトメールに問い合わせ用のURLを設置し、購買に繋げてもらうといった方法がレスポンス広告の手法です。
イメージ広告
イメージ広告は具体的な商品やサービスを周知させる広告です。
レスポンス広告のように個人向けの広告ではなく、ブランド広告のようにマスメディアを活用して商品やサービスのPRを行います。
ブランド広告との違いはイメージ広告は企業ブランドを周知させるのではなく、あくまでも商品やサービスをPRするものである点です。
ブランド広告のメリット
ブランド広告には企業ブランドを周知することでマーケティング活動を効率的にできる、ひいては企業成績の成長というメリットがあります。
個別の商品をPRするわけではありませんが、企業ブランドを周知させることで販売活動に好影響を期待できるのです。
企業ブランドを周知できる
ブランド広告によって企業ブランドを消費者に周知できます。
企業ブランドを認知してもらうことによって、消費者は企業の商品やサービスを購入してもらうことを期待できます。
知らないブランドよりも知っているブランドの方が消費者も安心して購入したいという考えになる可能性が高いです。
市場における差別化
企業ブランドを周知することによって、市場における差別化を期待できます。
市場における差別化とは、市場において同業他社よりも自社が優位に立てる方法です。
例えば、同一市場に他企業がいる場合に自社の企業ブランド力が高い場合、他企業よりも消費者への認知度が高いという点で優位に立てるでしょう。
価格競争に巻き込まれない
ブランドを高めることで、市場において競争優位に立てます。
通常のマーケティングでは価格競争に巻き込まれてしまう恐れがあるのですが、ブランド広告によって競争優位を確保することによって価格競争のリスクを排除できます。
価格競争に巻き込まれないことで、売上の単価を上げることが可能です。
単価向上は企業の利益に直結するので、ブランド広告によってブランドを周知することは営業利益拡大に貢献するといえます。
リピーター獲得
ブランドを周知することで商品やサービスについてリピーターを獲得できます。
1度使った商品やサービスを満足してもらうことで、「また利用したい」と感じてもらえるでしょう。
リピーターを獲得することによって継続的な売上が見込めるようになり、営業利益拡大に貢献するといえるでしょう。
社会へのブランドメッセージを発信する
現代においてはどの企業でもCSR(Corporate Social Responsibility)すなわち企業の社会的責任は重要です。
ブランド広告を通じて企業のCSRを果たしているというメッセージを発信できます。
ブランドメッセージを発信する
ブランド広告を通じて、社会に向けてブランドメッセージを発信できます。
ブランドメッセージとは会社の特徴や信念を表すメッセージです。
ブランド広告を通じてブランドメッセージを社会に発信することで、社会における自社企業の在り方を周知できます。
ブランド広告の手法と媒体(メディア)
ブランド広告にはどのような手法があるでしょうか?
テレビCMや新聞広告など、大衆向けに情報を発信する広告をマス広告あるいはマスメディアといいます。
マス広告は多くの人が目にする機会があるため、ブランド広告に適した媒体とされています。
ブランド広告を発信できる媒体(メディア)の種類および特徴について見ていきましょう。
テレビ広告(CM)
テレビ広告(CM)ではテレビ番組の合間に15秒あるいは30秒の広告が流れます。
テレビ番組は多くの人に視聴してもらう機会があるため、ブランド広告の効果が高いメディアです。
動画や音声によって視聴者へメッセージを届けられるため、幅広い表現で消費者へアプローチできます。
新聞広告
新聞広告は新聞に載せる広告です。
広告の大きさは種類によって異なり、紙面の隅に出す広告から1面を丸々使って出す広告もあります。
テレビ広告と違って動画や音声で情報発信はできませんが、大きなスペースを割いて出す広告では購読者に大きな印象を与えられるでしょう。
雑誌広告
雑誌広告は週刊誌などの雑誌に載せる広告です。
雑誌を購読する顧客層をジャンルごとに限定できるため、テレビ広告や新聞広告よりもターゲットを明確にしたブランド広告を出せることが特徴です。
デジタル音声広告
デジタル音声広告はラジオ放送やインターネットラジオで流れる音声の広告です。
音声メディアの普及に伴い、デジタル音声広告を通じてブランド広告を打つという手法が増えてきています。
ここでは、Spotifyとラジコにおけるデジタル音声広告の事例を紹介します。
Spotify音声広告
Spotifyはスウェーデン発、世界最大級の音楽ストリーミングサービスです。
基本無料で世界中のクリエイターによる音楽配信を楽しめます。
Spotify音声広告では曲と曲の間に再生されるデジタル音声広告です。
再生開始後はスキップできないため、完全視聴率は93%にのぼります。
ラジコ(radiko)
ラジコ(radiko)はインターネット上でラジオが聴ける無料のサービスです。
ラジコが提供する「ラジコオーディオアド」ではプログラマティック広告配信という手法で番組中に広告を挿入できます。
再生課金型の広告をシステム経由で買い付けるため、運用型の音声広告を配信できるのです。
<ラジコオーディオアドプログラマティック広告配信とは?>
引用:ラジコより
ラジコが持つ全国各地の放送局から差し替え可能な広告枠を取得し、それぞれが持つ良質なコンテンツの間に広告を挿入する事ができます。
指定した特定の枠を決められた期間買う純広告に対し、プログラマティック配信では再生課金型の広告をシステム経由で買い付けるため、運用型の音声広告配信が可能です。
ブランド広告の事例
ブランド広告の成功事例にはどのようなものがあるでしょうか?
ブランド広告によって企業ブランドを周知することに成功した事例をいくつか紹介していきます。
ヤンマーの事例
ヤンマーは発動機、農機、建機、小型船舶の製造・販売を手掛ける大手メーカーです。
1959年から続いていた「ヤン坊マー坊天気予報」のテレビCMはお茶の間に長く親しまれていました。
農機を主に手掛けてきたヤンマーですが、農機だけでなく建機や小型船舶も手掛けています。
2013年にヤンマーは「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」を立ち上げ、ブランドアイデンティティを一新。
従来のヤンマーの印象を刷新するテレビCMを打ち、ブランド広告の事例として挙げられます。
IKEAの事例
IKEAはスウェーデン発祥の家具量販店です。
IKEAでは低価格で品質の良い製品をモットーにしており、シンプルで親しみやすい商品が特徴です。
IKEAのテレビCMはファミリー向けに団らんとした様子を広告しており、ファミリー向けに親しみやすいブランドであることをPRしています。
ブランド広告の測定
ブランド広告の効果を出稿した後、広告がどのぐらい効果が出たかを測る必要があります。
「ブランドリフト調査」と「サーチリフト調査」という手法を紹介します。
ブランドリフト調査
ブランドリフト調査とはブランド広告の成果を調査する手法の1つです。
ブランド広告を掲載した後、広告に接触したユーザーとそうでないユーザーの意識を調査してブランド認知度や購買意欲などを調査します。
ブランド広告に接触したユーザーがブランド認知度や購買意欲が非接触ユーザーよりも高い場合、ブランド広告の効果が出ているといえるでしょう。
ブランドリフト調査はアンケート方式で行うため、地道な調査が必要です。
サーチリフト調査
サーチリフト調査とは検索エンジンのデータを元にしたブランド広告の成果を測る調査です。
対象となるキーワードの自然検索数(オーガニック検索数)を測定することで、ブランド広告の成果を測ります。
自然検索数(オーガニック検索数)とは検索キーワードの広告枠を除いた検索結果のことです。
Web上の広告がどれだけ検索に繋がっているかを調査するという考え方です。
ブランド広告の測定 | 調査方法 |
---|---|
ブランドリフト調査 | アンケートによる調査 |
サーチリフト調査 | オーガニック検索数の調査 |
ブランド広告で企業価値をアップ!
ブランド広告の特徴やブランド広告を出稿するメリットについて紹介しました。
ブランド広告はマーケティング活動に大きな効果があり、企業利益を拡大することに役立ちます。
ブランド広告はテレビや新聞など、大衆が見るマスメディアにおいて大きな効果を発揮します。
広告が正しい効果を出せているかどうかは、ブランドリフト調査やサーチリフト調査によって測定可能です。
ブランド広告を利用して、企業ブランドの周知および企業価値の向上に努めましょう。