炎上対策で企業が導入するべき方法とは?SNSのリスクを減らす
「炎上対策(企業)はどうすればいい?」
「SNS炎上のリスクを減らしたい……」
「どのSNSが炎上しやすいの?」
SNSの炎上対策は、企業にとって必須項目。特に社員を多く抱える企業は、誰がSNSを使って炎上するか分かりません。
そこで今回は、SNSの炎上対策として企業が導入するべき方法やリスクの減らし方を解説します。
■この記事を読むと分かること
- 炎上対策として企業が導入するべき方法
- 導入しておきたい5つのツール
- 各SNSにおける炎上対策
他にも、SNSで炎上を起こしてしまった際の対応についても紹介します。
SNS炎上では事後対応にも注目されやすいため、しっかりと確認しておきましょう。
SNSの炎上対策として企業が行うべきこと5選
まずは、SNSの炎上対策として企業が行うべきことを紹介します。
かならず行ってほしい対策は、以下の5つです。
- 運用ルールを制定する
- 運用者はトレンドをチェックしておく
- 炎上対策の研修を行う
- 投稿内容のチェックは複数人で行う
- ツールでモニタリングできる仕組みを作る
最低限の対策方法なので、せめて以下の5つは導入を検討してみてください。
企業の炎上対策1.運用ルールを制定する
SNSの炎上対策として企業が行うべきこと、1つ目は「運用ルールを制定する」です。
企業のSNSには運用担当がいる場合が多いですが、複数人なら特にルールを制定しておくと良いでしょう。
運用ルールを制定しておけば、トラブルになりそうな投稿を避けたり迷いなく対処できたりします。
企業の炎上対策2.運用者はトレンドをチェックしておく
SNSの炎上対策として企業が行うべきこと、2つ目は「運用者はトレンドをチェックしておく」です。
発信内容のトレンドが変わりやすいSNSでは、なにか投稿する前にかならず流行をチェックすることをおすすめします。
たとえばセンシティブな発信内容である場合、トレンドを確認せずに投稿したがゆえ炎上することもあるでしょう。
投稿を作成するとき、発信する前の2回でトレンドをチェックしておくと安心です。
企業の炎上対策3.炎上対策の研修を行う
SNSの炎上対策として企業が行うべきこと、3つ目は「炎上対策の研修を行う」です。
たとえば炎上しやすい内容を共有したり、反応の大きな投稿は早めに報告したりといったような研修だと良いでしょう。
またSNS担当者だけでなく、社内全員を集めて研修を行うと個人アカウントの炎上対策にもなります。
企業の炎上対策4.投稿内容のチェックは複数人で行う
SNSの炎上対策として企業が行うべきこと、4つ目は「投稿内容のチェックは複数人で行う」です。
企業でSNS担当者を1人と設定している場合、投稿前のチェックをする社員を用意してみてください。
1つひとつの投稿を複数人でチェックすると、炎上リスクはかなり減るでしょう。
企業の炎上対策5.ツールでモニタリングできる仕組みを作る
SNSの炎上対策として企業が行うべきこと、5つ目は「ツールでモニタリングできる仕組みを作る」です。
しかし人材不足の会社では、SNSの投稿前にチェックする社員を見つけるのが難しいかもしれません。
そこでおすすめなのが、ツールを導入して自動化することです。詳しいツールは後述します。
炎上対策として企業が導入しておきたいツール3選
ここからは前述したとおり、炎上対策として企業が導入しておきたいツールを紹介します。
今回紹介するのは、比較的導入しやすい以下の3つのツールです。
- リスクモニタリングサービス(株式会社エルテス)
- インターネットモニタリング(アディッシュ株式会社)
- ネットパトロール(イーガーディアン株式会社)
他にもいくつかありますが、初めて炎上対策としてツールを導入するならこの5つが使いやすいでしょう。
1.リスクモニタリングサービス(株式会社エルテス)
株式会社エルテスのリスクモニタリングサービスでは、以下のようなフローで炎上対策を行います。
リスクモニタリングサービスは、モニタリングをAIと人の目でチェックします。
つまり二重チェックによって、より炎上リスクを減らせるのがメリットでしょう。
なにかあれば緊急通知してくれるだけでなく、企業内の分析に役立つようにレポートにまとめて月次報告を行います。
2.インターネットモニタリング(アディッシュ株式会社)
アディッシュ株式会社のインターネットモニタリングは、以下のようなサービス内容となっています。
炎上対策としてのSNS監視サービスはもとより、リスクを減らすための診断やなりすましアカウントの検出、危険な書き込みの検知なども可能です。
さまざまなアプローチで、SNSでの炎上防止ができるツールといえるでしょう。
3.ネットパトロール(イーガーディアン株式会社)
イーガーディアン株式会社のネットパトロールでは、以下のようなフローで炎上対策を行います。
ネットパトロールではAI監視の有無を選択でき、小さな範囲からツールを導入したいと検討している企業にもおすすめです。
AIと人の目による二重チェックで、SNS炎上のリスクはぐっと減るでしょう。
SNSが炎上したときの対応
いくらツールを導入しても、残念ながら炎上してしまうこともあります。
そこで万が一のときに備え、SNSが炎上したときの対応もみていきましょう。
- 炎上対応を企業内で話し合う
- 方針に従って謝罪・訂正をする
- 法的措置をとる
ポイントは、社員1人ではなく企業全体で対応することです。
1.炎上対応を企業内で話し合う
炎上してしまったら、まずは対応を企業全体で話し合いましょう。
主に検討したいのは、以下の内容です。
- 炎上した投稿自体を削除するか
- 公式のSNSアカウントに謝罪文を掲載するか
- 記者会見を開くか(その場合はいつまでに準備するか)
- SNSで炎上してしまった本人の処遇
- 社内全体への報告はどうするか
炎上後、世間への対応は早いほど事態が収まりやすくなります。
スピード感を持って、上記の対応について意見をまとめておきましょう。
2.方針に従って謝罪・訂正をする
炎上後の対応が決定したら、つぎにその方針に従って謝罪や訂正を行いましょう。
企業は公式サイトやアカウントで謝罪し、どのような状況で炎上したかの報告をしっかりと行うべきです。
誠意ある対応をすれば、悪質でない炎上の場合はすぐに収まるでしょう。
3.法的措置をとる
もしSNS炎上の原因が個人(社員・アルバイトなど)の場合は、法的措置を取ることも考える必要があります。
企業はブランド名のイメージが落ちると、直接的に利益へ影響します。
損害賠償といった形で個人に請求することで、世間の納得を得ることもできるでしょう。
そもそも炎上しやすいSNSとは
昨今、ブランド力を拡大するためにはSNSが欠かせません。
そこで炎上しやすいSNSについても勉強しておきましょう。
炎上しやすいSNSは、以下です。
- YouTube
なかでもTwitterは拡散力に特化したSNSなので、炎上しやすくその後の対応も難しいでしょう。
また他にはない「1投稿140文字」といった制限があるため、誤解を生じる可能性が高くなっています。
炎上しやすいSNSの対策方法
「炎上しやすいSNSは分かったけど、自社のサービスにはTwitterがどうしても必要だ」といったような企業もあるでしょう。
そこで各SNSの炎上対策について、いくつかまとめました。
Twitter炎上の対策
Twitterで炎上した場合、もともとの投稿を削除してもすでに拡散されていることがほとんどです。
したがって削除はせず、事後対応の説明時に活用できるようにログを残しておきましょう。
また引用リツイートという機能を使って、公式アカウントで投稿を示しながら謝罪するのもおすすめです。
Instagram炎上の対策
Instagramで炎上した場合、投稿のコメントをオフにしたり削除したりすると良いでしょう。SNS自体に拡散力はあまりないため、それ以上の拡大を防げる可能性があります。
またInstagramは3つだけ投稿を上位掲載できるので、謝罪文などを固定しておくと良いです。
ほかにも24時間で消えるストーリーズ機能を使って、すぐに謝罪対応をしておきましょう。
YouTube炎上の対策
YouTubeで炎上した場合、コメント欄の閉鎖や該当動画を非公開にしましょう。
拡散力のないSNSなので、すぐに非公開にすれば録画されていない限りは炎上が収まりやすいです。
念のため、他の動画についてもコメント欄を閉鎖しておきましょう。
Facebook炎上の対策
Facebookで炎上した場合、投稿を消すか残すならコメント欄に謝罪文を掲載しましょう。
Instagramのように投稿を一覧で見られないため、投稿自体に謝罪文や今後の対応などを掲載しておくとユーザーも納得しやすいです。
Twitterのような拡散力はないものの、誰かが反応すれば他人のタイムラインには載ってしまうので早めの対応が必要となります。
炎上対策をするうえでの留意点とは
企業内であらゆる炎上対策をする際、かならず注意しておきたいことが以下の3つです。
- すぐに報告・共有する
- ユーザーへの対応は平等を意識する
- 問題の改善と分析を行う
社内外問わず、炎上は複雑化していくことがほとんど。企業のなかだけでも、足並みを揃えておきましょう。
1.すぐに報告・共有する
まずは、何か変化が起きたらすぐに報告・共有することです。
炎上後、事実ではないことがSNS上に書かれてしまい、ブランドの信頼性が一気に落ちることも珍しくありません。
1つひとつへ迅速に対応できるよう、炎上後の対策本部などをつくって報告・共有できる環境を整えておくと良いでしょう。
2.ユーザーへの対応は平等を意識する
炎上後は悪い意味で、企業に注目が集まります。
SNS上でも、企業宛てに多くの批判が届くでしょう。
そこでユーザーへの不平等な対応が見られると、炎上をより加速させてしまうかもしれません。
かならずユーザーへの対応は平等を意識して、早く炎上を収める努力をしましょう。
3.問題の改善と分析を行う
炎上はいつか落ち着きますが、その後は再犯防止のためにも問題の改善と分析を行います。
以下のような課題について、しっかりと向き合うと良いでしょう。
- 炎上の原因
- 炎上が落ち着いた理由
- 炎上から学んだ追加の対策方法
- 今後のSNS担当者に引き継ぐ内容
炎上対策は万全であったか、追加するものはないかを検討すると再犯防止になります。
SNS炎上してしまった企業の事例と被害のまとめ
ここからは、SNS炎上してしまった企業の事例と被害についてまとめていきます。
- 性別を理由にした就職説明会のキャンセル
- 情報サイトの根拠の希薄な発信
- 個人アカウントのバイトテロ
社内研修などで紹介しておくと、炎上の事前対策にもなります。
1.性別を理由にした就職説明会のキャンセル
これは専門商社によって、総合職への希望者に向けて行われた就職説明会での炎上事例です。
この炎上は、就職説明会への参加を「女性だから」といった理由で一方的に断られたというもの。
さまざまな差別を問題視している現代で、ありえないとの声が非常に多く届いた炎上でした。
2.情報サイトの根拠の希薄な発信
これは子供向けの一般的な料理に対して「有害である」といった、極端な発信をした生活情報サイトが炎上した事例です。
実際には有害であるといった根拠がなく、サイトは該当記事を削除する対応をしました。
3.個人アカウントのバイトテロ
2013年ごろから、複数の企業で起こったバイトテロ。一度は、目にしたという方も多いのではないでしょうか。
炎上したほとんどの事例では、雇用しているアルバイトや社員などが個人のSNSアカウントで非常識な投稿を行ったことが理由となっています。
企業は当人の懲戒処分や損害賠償の請求を行うなどして、炎上への対応を行っています。
まとめ
今回は、SNSの炎上対策として企業が導入するべき方法やリスクの減らし方を解説しました。
SNS炎上を完全に避けることは難しくとも、炎上しやすいSNSを知ったうえで慎重に選ぶことは重要です。
また各SNSの対策方法も理解しておくと、スピーディーな対応ができます。
炎上後の対応によっても大きく企業のイメージが左右されるため、事前にマニュアルなどを作成しておくのも良いかもしれません。
さらに、万が一のことを考えてツールなどの導入も考えておきましょう。