広告によるブランド毀損とは?発生する背景や毀損される可能性が高いコンテンツも紹介

ブランド毀損,広告

広告を出稿する際に配信先によってはブランド毀損になることも知っていますか?

この記事では「広告のブランド毀損」について解説していきます。

結論、運用型広告の場合は完全にコントロールするのが難しいので純広告での出稿も手段の一つです。広告を検討する際、わかりづらい「ブランド毀損」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。

その他にも「ブランド毀損が発生する背景」の説明や、「毀損を防ぐ方法」について説明していきたいと思いますので、 ぜひこの記事を読んでブランド毀損広告について知っていただければ幸いです。

また「ブランディング」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。

広告でブランド毀損する背景とは?

広告でブランド毀損する背景とは?

広告でブランドが毀損する際には、以下のような背景が挙げられます

  • 媒体で不適切なコンテンツ配信が行われている
  • 運用型広告の配信ターゲティングをしていない
  • SNSの拡大による拡散

それぞれの背景についてみていきましょう。

媒体で不適切なコンテンツ配信が行われている

デジタル広告を出すときに、掲載先を丁寧に精査しないと、違法サイトなどに広告がされた場合、倫理的な観点からブランドが非難の的になる可能性が高いです。

ネットの広告といえば、YouTubeや一般サイトなどが挙げられますが、違法アップロードのサイトや、大人向けコンテンツの動画に広告なども含まれます。ブランドのイメージを保つためには、法的にも倫理的にも問題を抱えていない広告掲載先だけを利用するように規制をかけることが重要です。

例えば、健全なビジネスをしているブランドの広告が違法で映画をアップロードしているサイトに広告として表示されたらどうでしょうか。それを知ったユーザーや他の企業は、違法ビジネスをしている組織に広告費を支払っているブランドに対してネガティブなイメージを抱くことになります。

そのため、ブランドイメージを高く保ち続けるためには、必ずデジタル広告がどこに掲載されるかを把握しておくことが非常に重要になってきます。

運用型広告の配信ターゲティングをしていない

運用型広告の配信ターゲティングをしていない

広告でブランドが毀損する背景には、デジタル広告のターゲティングを適切に行わないという点が挙げられます

インターネットの普及とともにデジタル広告は需要と広告費が高騰し続けていて、2019年にはマスメディア広告のトップであるテレビ広告費を抜いてしまいました。

デジタル広告は、テレビ広告のような従来のマスメディア広告とは異なり、広告を出す側が配信内容を自由に変更できるため、広告効果をより高く発揮することが可能です。さらに、広告効果を高く発揮するために重要なことが広告を配信する先「ターゲティング」です。

例えば、女性の脱毛に関する広告のターゲティングを運用する側が行わなければ、無駄が生じて広告費が膨大なる上に、一部の無関係のユーザーに不快感を与えてしまうリスクがあります。

自分とは全く関連性のない広告がしつこく流れることで、不快感を感じるユーザーが出てくると、結果的にブランドイメージを損なうことにつながります。

そのため、広告を出しただけでブランドのイメージを下げるブランド毀損の被害に遭う可能性が高いです。

SNSの拡大による拡散

ブランドがデジタル広告を出す際に、広告の掲載先や掲載内容、具体的なターゲティングに関して把握をしていないと、知らぬ間にSNSで切り抜きなどが悪編されるリスクがあります。

ブランド側が意図していない方向に広告の一部が一人歩きをして、SNSで拡散され、嘘の情報があたかも真実のように語られてしまうとブランドイメージを損ないかねません。SNSで拡散された情報がフェイクだったとしても、一度拡散されてしまった情報を正しく訂正して拡散し直すことは容易ではありません。

真相問わず、面白半分で拡散するユーザーもいるため、ブランド側に非がなくても、イメージダウンにつながることも。

意図しない媒体で広告がインターネット広告が出稿される背景

意図しない媒体で広告がインターネット広告が出稿される背景

運用型広告とは、運用者が広告の掲載先や広告費、ターゲティング、広告内容を自由に決めて効果を高めることができるネット広告のことを指します

従来のテレビ広告などのマス広告であれば、一つの商品やブランドを不特定多数に配信してきましたが、デジタル広告であれば、細かく設定することが可能です。これにより、より高い広告効果を促してくれることが期待できますが、デジタル広告の問題点として悪質な情報・違法サイト・違法配信動画への広告掲載が注目されています。

悪事や違法な行いに対して、否定的な考えを持たずに、ただ利益のことだけを考えているブランドとしてイメージ付けされてしまうため、広告を出したのにマイナスになってしまうリスクがあります。

これに関しては、広告主がコントロールできない場合もあるため、企業側が丁寧にターゲティングを行い、悪質・違法なサイトや動画に広告が掲載されないように務めるほかありません。

広告によるブランド毀損を防ぐ方法

広告によるブランド毀損を防ぐ方法

広告によるブランド毀損を防ぐ方法は、以下のとおりです

  • 運用型広告ではなく純広告を出稿する
  • プレースメントターゲティングを行う
  • PMP配信を行う

それそれの方法を見ていきましょう。

運用型広告ではなく純広告を出稿する

運用型広告ではなく純広告を出稿することで、デジタル広告によるブランド毀損を防ぐことが可能です。

そもそも、純広告とは、WEB媒体の一部を事前に買い取ることで、自由自在に広告のテキスト・画像・動画の掲載が可能になります。

つまり、純広告に切り替えることで、知らぬ間に違法サイトや悪質なサイトにブランドの広告が配信されるリスクを防ぐことが可能です。

プレースメントターゲティングを行う

プレースメントターゲティングを行う

プレースメントターゲティングを行うことで、デジタル広告によるブランド毀損を防ぐことが可能です。

プレースメントターゲティングとは、ウェブサイト・アプリ・動画などの配信部分を指定してデジタル広告を提供します。

例えば、ネットユーザーがブランドの提供するモノ・サービスと類似した内容の検索をしたり、動画を見ているのであれば、その人の趣味嗜好が見えてきます。そこで、各ユーザーの利用履歴を反映させて、ブランドへの関心が高そうな人たちに厳選してデジタル広告を表示させることが可能です。

PMP配信を行う

PMP配信を採用することで、デジタル広告によるブランド毀損を防ぐことが可能です。

そもそも、PMP配信とは、広告取引市場のことですが、媒体主と広告主を限定して広告掲載ができるクローズド型な体制をしている点が特徴です。

オープン型で配信されるデジタル広告の場合、広告枠の品質にムラがあったり、モノ・サービスの倫理性・透明性において疑問が残ったりなど、多くの問題を抱えていました。

そこで、PMPのようにクローズド型にすることで、広告の掲載先が把握できたり、広告効果を最大限に期待することができます。

アドベリフィケーションとは?

アドベリフィケーションとは?

アドベリフィケーションとは、DSPなどのプログラムされた広告配信において、以下のような役割を果たしているツールです。

  • 広告主のブランド価値を守るための「ブランドセーフティ」
  • 見られる場所に広告を表示するための「ビューアビリティの保証」」

広告主が直接的にアドベリフィケーションを導入するケースはごく稀ですが、広告の品質・効果を高めるために広告配信会社が利用する場合が多いです。

広告によってブランド毀損が生じた事例

広告によってブランド毀損が生じた事例

広告によってブランド毀損が生じた事例は以下のとおりです。

  • P&Gの事例
  • 英国政府の事例
  • ユニリーバの事例

それぞれの事例について見ていきましょう。

P&Gの事例

P&Gの事例

2017年1月末、アメリカのネット広告組織「IAB」の年次総会にて、P&Gのブランディング責任者であるマーク・プリチャードが発言したことが話題になりました。

マーク・プリチャードは、デジタル広告を掲載するにあたって、ブランド毀損を防ぐため、透明性のあるメディアのみと取引をすると宣言

この発言によって、世界的にアドベリフィケーションの認知度が高まり、ブランド毀損について考える企業が増えました。

英国政府の事例

英国政府の事例

2017年、英国タイムズは「政治過激主義が投稿するYouTube動画に、大手企業の広告が配信された」ことを報じました

この報道により、世界の広告代理店で6位を誇る広告会社・ハバスがYouTubeへの広告出稿を停止し話題になる事態に。

この話題をきっかけに、英国政府は軍人の求人や混血などの呼びかけに関する広告をYouTubeで配信することをやめました。

ユニリーバの事例

ユニリーバの事例

動画配信サイト「Avema TV」で、特定の思想を持った政府団体が生放送で登場していたところ、大企業「ユニリージ・ジャパン」の広告が流れてしまったことでクレームが殺到

ネット上でも強く非難され大炎上することになりました。ユリニーバ・ジャパンは、直接的にAbemaTVと取引を行なっていなかったものの、AbemaTVと一緒に広告主側にも非があるとして指摘されました。

結果的に、ユリニーバ・ジャパンは、広告代理店を通じて、デジタル広告の出稿停止を求めて沈静化をはかりました。

広告によるブランド毀損の影響とは?

広告によるブランド毀損の影響とは?

広告によるブランド毀損の影響には以下のようなものがあります

  • 商材・商品に対してのイメージ悪化
  • 特典の団体を支援している企業と錯覚される

それぞれの影響について見ていきましょう。

商材・商品に対してのイメージの悪化

広告のブランド毀損が発生すると、自社で扱っている商材・商品に対するイメージが悪くなりかねません

特に強豪率の高いブランドであるほど、一度着いてしまった悪いイメージを払拭することが難しく、消費者は簡単に他のブランドに乗り換えてしまいます。

広告によるブランド毀損は、売り上げの現像に大きな影響を与える可能性があることを把握しておくことが大切です。

特定の団体を支援している企業と錯覚される

特定の団体を支援している企業と錯覚される

広告のブランド毀損が発生すると、ブランドと特定の団体の繋がりを紐づけられて一部の消費者が離れてしまう可能性があります

消費者が離れやすい内容として、過激な発言を繰り返している動画や、政治的な発言をしているサイト、差別的な思想を助長している団体の媒体などが挙げられます。

広告主は、広告を掲載するメディアに対して広告費を支払うため、それを見た消費者は、ブランド(広告主)と特定の団体が利害関係にあると推測するでしょう。多くの場合、ブランド側は広告の掲載先に関与せずに、広告代理店が行いますが、掲載先に対するリスクマネージメントを行わないと、思わぬ炎上を起こしかねません。

ブランド毀損になる可能性が高い配信先とは?

ブランド毀損になる可能性が高い配信先とは?

ブランド毀損になりやすい配信先は以下のとおりです。

  • 著作権に違反しているサイトへの配信
  • アダルトコンテンツへの配信
  • 特定の政治団体の動画への配信

それぞれの配信先について詳しく見ていきましょう。

著作権に違反しているサイトへの配信

漫画や映画を違法アップロードしているサイトなど著作権に違反しているサイトは、ブランド毀損になる可能性が高いので注意しましょう

著作権に違法しているサイトは、悪質な方法で報酬を手に入れているだけではなく、製作者の本来得るべき売り上げを奪っているため、クリエーター・アーティストの権利を守るためにも違法サイトは問題視されています。

そのため、著作権に違反しているサイトに広告を掲載した場合、違法サイトへ悪いイメージを持っている消費者たちから批判を受ける可能性があります。

アダルトコンテンツへの配信

アダルトコンテンツへの配信

アダルトコンテンツの動画サイトにブランドの広告が掲載されると、卑猥なイメージや下品なイメージがついてしまいブランド毀損になる可能性が高いので注意しましょう。

アダルトコンテンツそのものにネガティブなイメージを抱いている人たちも一定数いるため、大衆的なターゲティングをしているブランドや、女性や子どもをターゲティングしているブランドは十分な配慮が必要です。

ネットで話題になると、そのモノ・サービスを利用するだけで「アダルト」のイメージが先行してしまう場合もあるため、売り上げへの影響も懸念されます。

特定の政治団体の動画への配信

特定の政治団体のサイトや動画にブランドの広告が掲載されると、その団体の思想を支持しているブランドと認識されてブランド毀損になる可能性が高いので注意しましょう。

ただし、政治関連の動画は、YouTubeなどの一般サイトにたくさん掲載されているため、管理が難しく一概に、政治の動画に広告がついたからその政党を支持していると認識されるとは限りません。

ただし、一部の視聴者はブランドの広告が政治関連の動画に掲載されているだけで、不快感を抱く場合もあることを把握して、可能な限り政治関連のサイト・動画への掲載を避けることが重要です。

広告のブランド毀損について理解しよう

広告のブランド毀損について理解しよう

この記事での結論をまとめると、

  • ネットの普及により、以前よりデジタル広告の需要が高まり続けている一方で、広告のブランド毀損が増えている
  • 広告のブランド毀損は、広告主(ブランド側)の管理外で発生するケースもあるため、常にブランド毀損のリスク管理が必要
  • ブランド毀損が生じてもすぐに対処することで炎上等を沈静化することができる
  • ブランド毀損は直接的に売り上げに影響する場合がある
  • ブランド毀損が生じやすい配信先には傾向がある

ということが分かりました。

広告のブランド毀損は、デジタル広告の普及とともに問題視されている部分ですが、万が一ネットなどで拡散されても、適切に対処することで被害を最小限に抑えることができます

逆に、リスクマネージメントを怠ったり、対処に時間をかけてしまうと、ブランド側に非がなくても、情報がネットで拡散されて、取り返しがつかなくなる大惨事になりかねません。これから自社を守るためにも、広告を掲載する際は、ブランド毀損のリスクをしっかりと対策することが大切です。