広報担当の仕事とは? | 仕事内容や必要なスキル・向いている人まで徹底解説
広報担当の仕事内容をあなたは知っていますか?
この記事では「広報担当の仕事」について解説していきます。結論、広報担当は社内外に幅広く情報を発信することが仕事です。広報担当に任命された際、知っておきたい「仕事内容」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。
その他にも「広報の基礎知識」や、「求められるスキル」「広報担当に向いている人」について説明してきますので、この記事を読んで広報担当の仕事に役立てていただければ幸いです。
また「ブランディングマーケティング」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
広報とは?
広報とは、個人や企業が社会の人々と関係性を構築する仕事のことを指します。英語では広義の意味で「パブリックリレーションズ(PR)」と言い、広報はその一環として実施されています。
その仕事内容は多岐に渡り、組織の事業活動報告や方針発表など、発信を通して人々と繋がり組織を成長させることが目的です。
- 企業の製品紹介
- サービス紹介
- プレスリリース発表
以上のような情報発信は、広報の仕事として良く見かけるものの1つでしょう。toCだけでなく、自治体やNPCなど社会との幅広い繋がりを求められる仕事なのです。
広報担当が仕事のために知っておくべき基礎知識
広報担当者になるあたって、まず広報について知っておく必要があります。広報は仕事内容が幅広いため、まずは混同しがちな似た仕事について解説します。特にややこしいのが、以下の3つです。
- 広告宣伝
- IR
- PR
それぞれ広報をしていると必ず耳にする単語です。それぞれどのような仕事内容なのが詳しく見ていきましょう。
広告宣伝との違い
広報とセットで良く耳にするのが広告宣伝です。広告宣伝との違いは、メディアに対価を支払って宣伝してもらっているかどうかという点にあります。
通常、広報はメディアに自社や製品・サービスなどについての情報を提供し、宣伝してもらうように働きかけます。あくまでもメディアに主体があります。
一方の広告宣伝では、メディアに対して対価を支払っているので、広告主である自社が宣伝したいように情報を流通できます。
- 広報:メディア側の意思が大きい
- 広告宣伝:広告主の意思が大きい
自社の情報を的確に届けるのなら広告宣伝が適しています。しかしメディアが自主的に情報を選択して宣伝できる広報の方が、社会的な信用度が高いというメリットがあるので、利用する際は良く検討しましょう。
IRとの違い
IRとは、株主や投資家に対して企業の経営や財務状況など、投資に必要な企業情報を継続して提供する仕事を指します。その目的は、自社と株主・投資家との間に良好な関係を作り、資金調達をすることです。
そのため仕事内容も詳細な情報が求められ、良い数字も悪い数字も正しく伝えられているかどうかが重要なポイントとなります。
一方の広報は社会に対して情報を発信することが仕事であるため、良いイメージを持ってもらうことが目的です。
広報の業務の中にはIRが含まれていますが、こうした違いがあるため注意しましょう。
PRとの違い
広報と混同されがちなのがPRです。しかし両者は明確に違います。なぜならPRは、情報を発信するために積み重ねた行動そのものを指すからです。
一方の広報は、様々な相手との関係性を構築し、戦略のもとに情報を発信を行います。
これらのことからもわかるように、広報はPRの中の一部に過ぎないのです。PRには広報の他に広聴と呼ばれるものがあります。これはカスタマーからの意見を聞き集めること。
広報は情報の発信をすることが業務なので、PRとは明確に違うのです。
広報担当の仕事:社外広報
広報担当の仕事は多岐に渡ります。そのため社外向け・社内向けにわけて認識するのが基本です。中でも広報の主な仕事となるのが社外向けの広報。社外広報とも呼ばれる仕事内容は、広報と聞いてイメージするものばかりとなるでしょう。
- プレスリリースの作成・発信
- メディア関係者への対応
- SNSやブログで発信
- イベントの企画
- 危機管理対応
それぞれの仕事内容を詳しく解説します。
プレスリリースの作成・発信
広報担当の仕事の代表的なものに、プレスリリースの作成・発信があります。広報の仕事と聞いて真っ先に思い浮かべる仕事でしょう。
プレスリリースとは、企業がメディアに向けて発信する情報です。以下のようなものが該当します。
- 企業経営
- 新サービス
- 新商品
プレスリリースがメディアに取り上げられることで、企業やサービスの認知度、ブランド向上が期待できます。
広報担当はプレスリリースの作成・発信のために適切な情報共有と提供をしていかなければなりません。
メディア関係者への対応
テレビや雑誌、Webなどのメディア関係者への対応も広報担当の仕事です。テレビ番組で企業紹介の際に出てきている人が広報担当なのもそれが理由となっています。
広報担当は、メディアとの良好な関係を築くメディアリレーションズといった役割を担っています。そのためメディア向けの仕事も多く、以下の業務が代表例です。
- 経営者へのインタビュー依頼の調整
- サービス・商品に関する取材
- 施設案内
取材対応にはスピード感が重要なため、丁寧かつ迅速な対応が求められます。プレスリリースから取材に結びつくケースも多いため、普段からメディア関係者と接触しフィードバックを得ておくことをオススメします。
SNSやブログで発信
今や国民の8割以上がスマートフォンを持つようになった現代において、SNSやブログを使ってインターネット上で情報を発信するのは必要不可欠です。
そのためSNSやブログを通じての情報発信も広報の大事な仕事となっています。積極的に自社の情報を発信しファンを作っていかなければなりません。
中でもTwitterやInstagramのようなSNSは、簡単に始められてユーザーとのコミュニケーションも取りやすいことから重宝します。
一方で炎上したり短期的な発信力の強化が難しかったりする面も。中長期的な視点で発信し続けることも広報担当の仕事です。
イベントの企画
自社が新しい商品やサービスを発表する際、広報はイベントの企画を請け負います。特にメディア関係を巻き込むのなら、招待など社外との調整が必須です。普段の業務を通じてメディアとの関係作りを行っていると、スムーズなイベントの開催も可能でしょう。
また社内においては、誰が出席するかの調整も行います。経営陣の場合、スケジュール調整も仕事として加わります。
広報担当は社外に向けての情報発信をする業務なため、こうしたイベントの企画もこなすこととなるでしょう。
危機管理対応
危機管理対応とは、自社の名誉を毀損するような事態が発生した時の対応を指します。広報担当は社外に向けての情報発信を担うため、これも仕事の1つです。
有事の際には社会全体から注目を集めるため、対応如何によっては会社が傾くことも考えられます。他にもSNSでの炎上など、様々な場面において危機管理が問われます。
こうした状況に臨機応変に対応するのも広報担当の仕事です。
広報担当の仕事:社内広報
広報担当の仕事には社内向けの仕事もあります。自社の社員に向けて企業が行う広報活動と考えてください。そのため企業理念やビジョン、ミッションなどの社内浸透やコミュニケーションの活発化などの役割を担っています。
社外と違い、社員とのコミュニケーションを多く求められるのが特徴です。
- 社内報の作成
- 社内の情報共有
- 部署・個人間の関係構築
- IR向けの資料作成
社内報の作成
社内報の作成は、広報担当の社内向け業務の中でも特に一般的なものです。自社の新商品や新サービス、新しい活動内容をまとめて社内向けに発信する仕事となります。
この社内報により状況共有を行い、社内の業務を円滑に進める役割を持っています。
社内報に関しては企業によって様々な形があります。中でも以下が代表的なものでしょう。
- パンフレット
- Webサイト
- メール
- 社内SNS
- チャットツール
企業の規模が大きくなると社内報も大がかりになります。その場合はライターやデザイナーに依頼することもあるため、社外との関係性も重要です。
社内の情報共有
社内の情報共有も広報担当の仕事です。新商品・新サービス以外にも社内で共有するべきものが発生した際に執り行われることが多いでしょう。主なものとしては以下があります。
- 企業理念
- ビジョン
- 新たなミッション
- 経営情報
- 倫理観の共有
- メディア掲載
- イベント開催
この他、自分がどのような取り組みをしたのかを発信することも。こうした社内共有の情報を発信するためにも、広報担当は常に情報収集を求められます。
部署・個人間の関係構築
部署・個人間の関係構築も広報担当の立派な仕事の1つ。なぜなら、広報担当は社内外に向けて情報を発信するため、普段からの関係構築を求められるからです。部署をまたいだ関係性の構築は必須と言っても良いでしょう。
そのため各部署の集まりに積極的に参加しましょう。
また社員が気軽に参加できるイベント情報を共有することも。近年ではテレワークやリモートワークで普段出社しない社員との円滑なコミュニケーションも求められています。
社内の橋渡し的な役割を担っているのが、広報担当です。
IR向けの資料作成
IR向けの資料作成も広報担当の社内向け業務となります。株主や投資家に向けての情報共有も業務の1つだからです。自社の財務状況などを第三者に正確に伝えなければいけないため、重要な仕事となります。
資料は株主・投資家に向けての情報であるため、経理部や財務部など様々な部をまたいで情報を集めて作成しなければなりません。普段からの関係構築が物を言います。
このようにIR向けの資料作成を含め、発信用の資料作成をするのが広報担当の仕事です。
広報担当が仕事で求められるスキル
広報担当は多くの仕事を任されます。そこで気になるのが、広報担当に求められるスキルです。中でも以下のスキルはどの業界の広報担当にも共通して求められます。
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- 文章作成スキル
- 問題を解決する能力
それぞれどのような場面で求められるのか詳しく解説します。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は広報担当ならば必須のスキルといえます。なぜなら、広報担当は社内外に正確に情報を伝えるのが仕事だからです。そのため社内外問わず様々な人と関わるため、自ずとコミュニケーション能力が必要になります。
社外においてはメディアや提携を組んでいる企業などが代表格です。社内だと社長や経営陣などキーパーソンとなる人物が当てはまるでしょう。
物怖じせずに発言する能力だけでなく、聞く力・良い関係性を作る力を含めた総合的なコミュニケーション能力が、広報担当には必須のスキルです。
プレゼンテーション能力
プレゼンテーション能力も広報担当に求められるスキルの1つ。広報担当は社外で自社の情報を紹介することも多いからです。
通常、企業の新サービスや新商品はプレスリリースを通じて発表しますが、それ以外にプレゼンテーションで情報を開示することがあります。この際、メディアに直接出向いて行う場合が多いです。
プレゼンテーションは会社を代表して広報が情報を伝える大切な場所。そのため広報担当には高いプレゼンテーション能力が求められます。
文章作成スキル
文章作成スキルも広報担当に求められるスキルの1つでしょう。なぜなら広報担当の仕事の本質は「伝える」ことだからです。企業の情報を相手に的確に伝え、魅力を感じてもらわなければなりません。
そのためにプレスリリースを作成したりプレゼンテーションを行ったりするのです。時にはインタビューの台本や原稿を作成することもあるでしょう。
そういった場面で求められるのが文章作成のスキルです。自社の商品やサービスの魅力的なポイントを見出し、言語化して伝える能力が問われます。文章作成スキルは、広報担当にとって必須のスキルです。
問題を解決する能力
問題を解決する能力も広報担当に求められるスキルとなります。なぜなら、広報担当は何かトラブルが発生した際に事態収拾に動いたり謝罪したりすることを求められるからです。
問題に対して臨機応変に対応し、解決へと導いていかなくてはなりません。
そんとあめ広報担当には様々な意見を聞き入れ対応する柔軟性が求められます。問題解決の際に矢面に立つこともあるため、胆力も必要です。
このように問題を解決し自社のブランドを守る役割を、広報担当は担っています。
広報担当の仕事で役立つスキルアップ方法
最初から広報担当に必要なスキルを全て持っている人はいません。仕事をしながら少しずつスキルを磨いていくことが何よりも大切です。広報担当の仕事に役立つスキルは様々なものがありますが、以下のような方法でスキルアップができます。
- 広報の勉強会に参加する
- イベント・セミナーに参加する
- 他社の広報担当と意見交換する
それぞれ詳しく見てみましょう。
広報の勉強会に参加する
広報の勉強会に参加するのもスキルアップに良い方法です。広報担当者を対象としているため、非常にタメになるものが多いでしょう。
様々なコミュニティで活発で行われているので、参加したい勉強会に参加してみてください。
また勉強会に参加することで、広報担当者同士の横の繋がりも作れます。普段の業務の際に活かせることも多くあるので、非常に有益です。
広報の勉強会以外にも文章力やプレゼンテーション能力を磨く勉強会などにも参加することで、より総合的なスキルアップもできます。
勉強会参加はスキルアップへの近道です。
イベント・セミナーに参加する
広報担当者向けのイベント・セミナーに参加するのもスキルアップへの良い方法です。スキルを見に付けることはもちろん、経営者や専門家から考え方のマインドを学べるため、様々なことに活かせます。
広報担当として必要な視点を知れる貴重な体験ができます。他社の広報への考え方を知ることもできるでしょう。
近年ではWebでの開催・参加も増えてきているので、より気軽に参加できるようになっています。広報担当のスキルアップとして、参加してみることをオススメします。
他社の広報担当と意見交換する
他社の広報担当と意見交換するのもスキルアップでオススメの方法です。同じ仕事をしている人との意見交換は良い刺激になってくれるでしょう。
出会う場所は主に勉強会やイベント・セミナー。そうした場所に参加することのメリットでもあります。
人によって広報に対する考え方は違います。意見交換することでお互いにとって有意義な時間になれば、広報業界全体の活性化にも繋がります。人脈を広げるという意味でも、ぜひとも有効活用したい場所です。
このように他社の広報担当と意見交換することは、メリットの大きいスキルアップ方法と言えます。
広報担当の仕事に向いている人
広報担当は会社の顔と言うべき存在です。そのため多くの人と関わり、幅広い業務を円滑に進める能力が求められます。もちろん人によって向き不向きはありますが、以下の人は広報担当に向いていると言えるでしょう。
- 社交的な人
- 客観的に物事を見られる人
- 積極的に関わっていける人
- 好奇心旺盛な人
このような素養があると、広報の仕事を負担なくこなせる可能性が高くなります。それぞれどのようなタイプか具体的に解説します。
社交的な人
広報担当には社交的な人が向いています。なぜなら広報の仕事は社内・社外問わず様々な人と関わることが多いからです。そのため社交的な人が求められる傾向にあります。
特にメディアを含めた数多くの業界人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるのが成功の秘訣であるため、納得ですね。チーム一丸となってプロジェクトを進め、エンドへと導くためにはコミュニケーションが必要不可欠。
信頼関係を結んでゴールを目指すためにも、社交的で人当たりが良い人ほど広報担当に向いているといえます。
客観的に物事を見られる人
客観的に物事を見られる人も広報担当に向いています。自社の商品・サービスを第三者の視点に立って発信しなければならないためです。
そのため他人にとってわかりにくいに情報であったり、理解しにくい内容であったりすると企業にとってマイナスになることも。
どう伝えたら魅力的に感じてもらえるかの視点を常に持ち、相手の立場になって発信できるかが重要なのです。これらのことから、客観的に物事を見られる人は、広報担当に向いています。
積極的に関わっていける人
積極的に関わっていける人も広報担当の仕事に向いています。なぜなら広報は様々な人と関わるのが仕事だからです。他社と連携して業務を進めることも多いため、自ら積極的にチャンスに関わっていける人ほど向いています。
ただしこの際に注意したいのが、一方的に自分だけのメリットを押しつけてはいけない点。積極的に関わりつつも、相手のことを考えて行動できるかが大切です。
そのため、自ら主体的に行動しつつチャンスの機会があれば常に作り出していくバイタリティを持っている人が、広報担当に向いています。
好奇心旺盛な人
好奇心旺盛な人も広報担当に向いています。広報担当は常に様々な情報にアンテナを張っていなければならいからです。好奇心旺盛な人ほど情報をキャッチしやすいので向いています。
好奇心は何も外部の情報に限りません。自社の中でも別の部署であったりイベントであったりに積極的に参加する好奇心が重要です。好奇心を原動力として様々なものに積極的に関わっていくことが求められます。
そのため好奇心旺盛な人ほど、広報担当者に向いています。
広報担当の仕事に必要な資格はない
広報担当の仕事をする際に気になるのが必要な資格です。結論から言えば、必要な資格は一切ありません。能力が問われる仕事のため、資格は重要視されていない傾向にあります。
そのため広報担当は新卒で配属されるケースが少なく、基本的には他部署を数年経験して自社への知見を深めた上で配属される場合がほとんどです。
広報担当になるには、それまでにどれだけ社内外でコミュニケーション能力を高めていたかが問われます。そのため必要な資格がないのです。
広報担当の仕事は社内外に幅広い
広報担当の仕事は社内外に幅広くあります。情報発信が主な業務となるため、社外においてはプレスリリースの作成・発信やイベントの企画、SNS・ブログでの情報発信などが挙げられます。
一方の社内業務でも社内報や情報共有、IR向けの資料作成など情報を発信することが主の仕事です。
これらのことから広報担当が仕事で求められるスキルはコミュニケーション能力や文章作成スキルなど、情報を発信するものが主となっています。一朝一夕で身につくものではないため、勉強会やセミナーに参加し磨いていくと良いでしょう。
広報担当の仕事に資格は必要ありません。だからこそ、向き不向きがハッキリでる仕事でもあります。広報担当の仕事を任された方は、自身の素養を鑑みて業務にあたることをオススメします。